2014/7/19（35号）

▼まもなく梅雨明けしそうですね。ここのところ連日猛暑が続いています。病院にも暑さのせい
で調子が悪くなって連れて来られる動物たちが増えています。暑さで食欲が落ちるのは多少有り
得ることですが、何日も食べない、体重が減ってくるなどおかしいかなと思う症状がありました
ら、早めに受診してください。単なる夏バテと思っていたら違う病気だった、ということもあり
ますし、夏バテもこじらせると内臓の病気を引き起こすこともあります。

▼ところで、動物が快適、と思う温度って何度ぐらいだと思われますか？実は人間とさほど変わ
りません。だいたい夏は25〜28℃ぐらい、湿度も50〜70％ぐらいと言われています。犬や猫は、
人間と違い汗腺が発達しておらず、扇風機で風を送ってやってもすずしいとは感じられませんの
で、エアコンで気温そのものを調節してやらなければなりません。犬ではブルドッグ、ボストン
テリア、パグなどいわゆる短頭種と呼ばれる種類は極端に暑さに弱いです。それ以外でも著しく
肥満している、肺や心臓に病気を抱えている子などは、少しの暑さでも体調を崩してしまいます
ので、注意が必要です。

▼猫は、もともと砂漠地帯の動物なので、確かに犬よりは暑さには強いのですが、日本の高温多
湿な気候は苦手です。犬のようにつながれているわけではなく、家の中でもっとも快適な場所を
探すことができるので、一見それほど暑がっていないように見えてしまいますが、でれ〜んと伸
びて寝ている、お風呂場や玄関のタイルの上などで寝たがる時は暑いと感じているようです。特
に高齢や肥満の猫では、暑さのストレスに負けやすいため、1〜2日食べなかっただけでもがたが
たと体調を崩してしまうこともありますので、より注意が必要です。また、猫が口を開けてハア
ハア喘ぐような呼吸をしているのをもし見かけたら、病院に相談してください。肺や心臓に重大
な病気を持っていることがあります。猫は犬とちがい、通常の状態では喘ぎ呼吸をすることはな
い動物です（子猫などがはしゃぎすぎたりするとまれに喘ぎ呼吸をすることはあります）。

▼犬猫ごときのためにエアコンつけっぱなしなんて電気代がもったいない、と言われる方もおら
れるのですが、最近のエアコンは省エネタイプばかりですから、一度設定温度になってしまえば、
あとはごくわずかしか電気代はかからないそうです。最近の新しい建築方法で建てられた家は、
密閉性が高く、エアコンの効きもいいですが、逆にこうした家を締め切って陽光が入る状態にし
ておくと、あっという間に室内の温度は４０度近くまで上がり、日が落ちてもなかなか気温は下
がりません。夜に飼い主さんが帰られた時にはペットはすっかりぐったり、病院も閉まってる、
なんていう事態にもなりかねません。お金の話だけでいえば、体調崩して病気になって、病院に
かかるほうがよほど高くつきますし、体調を崩すだけでなく命の危険すらありますので、ぜひ温
度管理は配慮してあげてください。

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